この布設替えのアプリケーションでは、既設管の内径よりも小さい外径の新しい管が既設管内に挿入（押し込みまたは引き抜き）され、既設管の構造および流れの機能を完全に置き換えます。これは通常、スリップライニングと呼ばれています。布設替え管を挿入するために、新しい管の内径を既設管に比べて大幅に縮径することがよくあります。流量能力の潜在的な低下は、布設替え管の粗度係数が低いか、新しいパイプラインをより高い圧力で運転できる能力によって相殺される可能性があります。スリップライニングパイプは、アプリケーションの要件に応じてホストパイプ内に固定されることが一般的です。
スリップライニングに最適なホストパイプは、変形のないまっすぐなパイプです。つまり、曲がりがないかわずかな曲がり、パイプ内への深刻な突起物がなく、オフセットジョイントもわずかなものです。スリップライニングは連続的または分割的に行われることがあります。
新しいパイプが設置された後、新しいパイプとホストパイプの間の環状空間にはグラウトが注入されます。グラウトは新しいパイプを抑制し、既存のパイプからの荷重を転送するために使用されます。グラウトにより、新しいパイプとホストパイプが複合体として作用し、パイプのリング剛性と外部水圧荷重に対する抵抗力が増加します。グラウトの適切な選択と適用は、スリップライニング作業の中で最も難しい部分です。新しいパイプを抑制するための充填材としてのみ機能するグラウトは、低粘度の比較的低強度のグラウトです。ライナーをホストパイプにリンクさせる構造用グラウトは、ライナーを抑制するためのグラウトよりも圧縮強度が高いです。グラウト注入中のライナーへの力は、通常の使用中にライナーが遭遇する力よりも大きくなる場合があります。過剰なグラウト圧力は、ライナーを損傷させたり、崩壊させる可能性があります。また、グラウト注入中にライナーにかかる浮力も考慮する必要があり、特に大型パイプでは浮力による変位を避けるための手段を講じる必要があります。これらの対策には、パイプを水で満たし、段階的にグラウトを注入することが含まれます。